無題

少しだけ疲れてしまった 彼女はそう言って
あまり綺麗でない駅前のベンチに腰をかける
目は淀んでいたけれど 少しだけ微笑んで
斜め下を見つめていた 少しだけ微笑んで

いつか彼女は本当のことに気付くだろう
その時もきっと、疲れた顔をして微笑んで
きっと、きっとってなんだ 誰が決めたんだ
足音がしていた 今日はなんだか煩かった

もう立ち直れないほどの心の傷を負っても
いつも気怠そうな君は変わらず僕の横にいて
「あっちに行こう」とか「こっちが綺麗とか」
もう無理しなくていいんだよ おやすみなさい