無神論

遠くなっていく足音に従って
五線譜に音符を乗せていく
貴方の細い指に弾かれる鍵盤
黒と白が波のように形を変える

本当のことは言わないでおこう
真実は正解とは限らないから
また歩幅を変えていく度に
繰り出される踵の音に合わせて

子供達はまだ世界を知らないから
羽を伸ばして豊かな思考を展開する
大人達は世界を知りすぎてしまったから
羽を閉じて小さな部屋で蹲ってる

果たしてそれは真実なのだろうか
知ることはそんなに罪なのかな
誰に問いかけてるか分からないけど
画面の向こうにいる君が答えてくれ

遠からず僕はすべてを失うことになる
それでも、ずっと先に光があると信じて
ステンドグラスに祈り続けている
昔、協会の人から教わった祈りを

時は過ぎて、僕は予想通り全て失くした
だけど、それで良かったんだと思う
持っていても仕方なかったんだ
だから神様に返した それだけさ