無題

ピアノが鳴る部屋で
好きな絵本を読んで
貴方の帰りを
待っているの
いつも嘘をついて
騙していた僕自身を
変えられるように

思い描いてた
日々の終わりを告げる
空の色
赤くなって
宙に浮いて
消える前に
増える悪い因子を
断ち切る
消える
見える
壊される
前に

ピアノがなる部屋で
貴方と過ごした
日々のかけらを
拾い集めているの
貴方に伝えるのは
もう少し先の話に
なるような気がして

ピアノがなる部屋で
好きな絵本を読んで
貴方の帰りを
待っているの
貴方の指先が
綺麗な音を奏で
光る星になる日を
待っている