無題
皆は何を糧に生きている?
俺はなんなんだろう。
さっきはこんな思い出を思い出した。
思い出を思い出した原因は煙草を吸ったこと。
俺が何故煙草を吸い始めたか?
それは、彼女達の気持ちが知りたかったから。
俺の大好きな先輩達の気持ちが知りたかったから。
彼、彼女等と話す時間が欲しかったから。
だから俺はあの子を信頼を失った代わりに、それを得た。
階段で煙草を吸いながら朝日を見たことがあった。
部活で使用しているスタジオの前で、練習の合間に三人で煙草を吸ったこともあった。
当時の俺にはそれが全てだった。
それ以外なかったし、それ以外いらなかったし、それ以外必要だと思わなかった。
間違いなく、あの頃は満たされていたと思う。
だけどそれもこれも結局、一時的な依存に過ぎなかった。
全てが嘘に変わる前に、何とかして俺の方から捨ててやりたい。
いつも蚊帳の外で、踊っていた俺は、コントローラーになりたい。
そう願った。一度失敗したそれを、もう一度手に入れたかった。
あの頃が、俺にとって遅れてやってきた青春だった。
間違いなく俺の全てで、俺は満たされていたんだ。
そうやって俺は歳を取った。
大学卒業後始めたバンドも、やりたくて続けたバンドも、
それはきっと俺にとって大学の部活動の延長線上にしかなかった。
だから本気でやってる人には敵わなかったし、
適当にやっている人間を適当に見下した。
俺はその程度でしかなかった。
俺は凄い曲を作った。
楽器は上手くなかったし、作曲も上手くなかった。
女子供を喚かせるバンドより演奏は下手だったし、
顔も不細工だった。
俺が負けないことは、曲のセンスだった。
作曲のセンスだった。俺のそれは他よりもずば抜けていたし、
俺にはそれしかなかった。
結局、色んな意味での限界を感じて、俺は諦めてしまった。
間違っているとか間違っていないとか以前に、俺は逃げてしまった。
バンドで稼ぐことを諦めて、少しでも興味が出たプログラミングを仕事にすることを決めた。物作りが好きだった。のだと思う。この前までの俺はそんなことを言っていた。
クリエイターに憧れていたし、それに成りすますことを生きがいとしていた。と思う。
全てが色々と仮初すぎて、なんだか書き込んでいて申し訳なくなってくる。
俺は色々な有象無象に謝りたい。いや、嘘だし、大げさだが。
くだらないし、馬鹿だが。結局これ。もう行き詰ってる。
まあ結局、全て忘れてほしいし、全てなかったことにしたい。
そうすれば、そうすれば、幸せだろう。きっと。きっと。きっと。