無題

神様が死んだあとの世界で
君はただ一人、教会で祈っている
何を求めるか 何を奪い取るか
そんな欲に塗れたことばかりだろ

死ねばいいって簡単に言うなよ
死ぬのも楽じゃないんだぜ
死んだことないから分かんないけど
死ぬ気はないのさ 口だけなのさ

嘘ばかりついて逃れてきた君に罰を
罰を下せ 矢で射抜いて殺してしまえ
殺してしまえ もう二度と悔やまぬ様に
殺してくれよ 意味の無い生なんか
俺なんかにそんなことも決められないのさ

無題

最低な気持ち 最低な経験
最低な優しさ 最高の嘘
全部ゴミ箱に捨てて
復元できない様に消して

消して 消して 消して 消して
理由無き絶望 意味の無い感傷
許されない言葉 許される行為
許された殺人 許されない犯罪

世界は廻り続けている
泥だらけの僕達を乗せたまま
一緒に汚れながら 笑って
いつかあのロケットで還ろう

さよならの代わりに
どんな言葉を紡いでくれるの
少し背伸びをして
振り返ったらもう貴方は

子供の頃見た怖いお面に似ている
貴方の顔はあれにそっくりで
貴方の笑顔は誰よりも素敵で
笑って 笑って 笑って 笑って

遠くなっていく影を追い続けている
僕はまだ子供のままで
貴方はもう大人になって
寂しかった 寂しかった

街が夕に染まると子供達は家に帰る
一人取り残された僕はシャベルを片手に
同じ場所を掘り続けている
あの子が隠した宝物を見つけるために

病院のベッドでは体の悪そうな女の子が
ずっと点滴を血管に流し込んでいた
吐きそうになる現実に目を背けながら
ただ此処に在る肉体を生かしている

病院のベッドでは患いがちな男の子が
外の世界を夢見てずっと窓の外を眺めている
星屑の降る丘で彼女と指切りをした
そんな彼女はもう居ないけど

さよならはいらない
セックスはいらない
愛情はいらない
何もいらない

単純な幸せが欲しい
単調な優しさが欲しい
誰か助けてくれ
どうしようもない俺を

誰か助けてくれ
この檻から出して
死にたくない
死にたくないよ

病院のベッドでは
終わりを告げる信号が鳴り続けていた
誰にも届かないのに
電波塔を胸に刺して
シグナルを発している
「許して」
「許して」
繰り返す
繰り返している
俺は病気じゃない
俺は変人じゃない
俺は奴隷じゃない
俺は
俺は
なんだ

目を覚ますとトーストとスープが置いてある
朝のニュース番組
今日も人が二,三人死んだらしい
どうでもいいや
俺には関係ないし
皆死ねばいい
俺には関係ないし
関係ない
煩い
関係ないよ
話しかけるな
来るな
死ねよ
死ね

汚れてる
醜い感情だ
それでいて稚拙だ
憎悪と暴力は稚拙で愚かだ
だからゲームやってコントローラー握って
全部忘れよう
真っ白にして
オープンワールドに感情を捨てて
死のう 人として
生きよう どこか遠くで

さよなら
さよなら
またいつか